ことばの遅れでのお悩み

ことばが遅れてしまう要因

知的障害

知的な能力や社会生活へ適応する力に遅れが生じる状態の事を言います。具体的には知能指数(IQ)が70以下であることが一般的な基準とされています。幼児期では聞く・話す・推論することが苦手でことばの発達が遅れることや、年齢相応の気持ちや自分をコントロールすることが難しいなどの特徴があります。また運動の発達が遅く動作がぎこちなくなることや、身支度や食事などに時間がかかるといった様子も見られることがあります。

自閉スペクトラム症

発達障害の一つであり、こだわりが強く他者とのコミュニケーションや社会的な経験が不足しやすく対人関係をうまく構築できないなどが特徴としてあります。幼児期では視線が合いにくく表情やことばのニュアンスを理解することが難しい、話す単語が少なくことばよりも身振りや大人の手を使って(クレーン現象)要求を伝えようとする、特定の物に対して強いこだわりがあり反復的な行動がみられるなどの様子が見られることがあります。

発達性言語障害

明らかな原因がないのにも関わらず、ことばの発達のみが遅れる状態です。ことばの理解や表出・文法の理解・適切なことば選びなど様々なことばに関する困難さが見られます。発達性言語障害には2つの種類が見られます。

受容性言語障害

ことば自体を理解していないことにより、ことばの表出も遅れている状態。

表出性言語障害

ことば自体は理解しているが、ことばの表出が遅れている状態。

聴覚情報処理障害

頭の中で聴いた音を認識して処理する働きが低下した状態です。「音は聞こえているのに聞き取れない」ことで、周りとのコミュニケーションが困難となります。幼児期では「うまく聞き取れない」ことで、ことばの発達の遅れや発語の異常として出てくる場合があります。

特異的言語発達遅滞

言語能力だけが特異的に遅れを示す状態を指します。この障害は、知的障害、聴覚障害、自閉症、または脳の器質的損傷などがない場合に診断されます。特異的言語発達遅滞の主な特徴には以下のようなものがあります。

語彙力の不足

ことばを記憶したり使用したりする能力が低く、語彙が限られています。

音韻認識の遅れ

ことばの音の違いを認識する力が不足しており、結果として発音が不明瞭になることがあります。

統語面の発達の遅れ

文法や構文の理解に困難があり、複雑な文章を作るのが難しくなります。

聴覚的記憶の低下

聴覚的な情報を記憶する能力が視覚的な情報に比べて劣っています。

レイトトーカー

知的な面や社会性に遅れがないのにも関わらず、3歳頃の時期までにことばの数が増えない・文章でのお話が困難、などが見られる状態です。成長に伴いお話が出てくることが多いですが、一定の割合でその後もことばのつまづきが残るケースがあると言われており注意が必要です。

まずはご家族様から現在のお子様のことばの様子を伺い、相談しながら目標設定を行います。

話しことばを伸ばすために、まずはことばの理解を目指します。発達段階に合わせて名詞、動詞の理解や抽象語、2語文、3語文などの理解を段階的に練習していきます。ことばの理解がこれからのお子様には、遊びを通して「色」や「形」の認識を促し徐々にことばの意味の理解に繋げていきます。また社会性を育むためお子様が好きなオモチャを取り入れ、遊びを通して「待つ」「順番」「交代」などのコミュニケーションを取る上で必要なルールの認識を促していきます。

※上記は訓練の進め方の一例です。一人一人に合った訓練内容・進め方・頻度をご相談の上決定していきます。