学習のつまづきも感覚が原因!?
いつもHPをご覧頂きありがとうございます!言語聴覚士の関口です。
今回の内容は学習のつまづきについてです。
- 板書に時間がかかる
- 文字がスラスラ読めない
- 教科書の読み飛ばしが多く、内容の理解に時間がかかる
など子供の勉強が思うように進まないと感じた事はありませんか?
理解する力やことばのつまづきなど原因は一つではないですが、ここでは感覚の側面から解説していきます。
文字を読んだり書いたりが苦手
黒板に書いてある事をノートに書き写すのに、とても時間がかかる子がいます。
なぜなら、視点の移動に無駄が多く集中が続かないからです。
書けても文字の形が間違っていたり真っ直ぐに書けず歪んでしまったり後で読み直すのが大変です。
漢字もへんとつくりが逆になったりと覚えるのにも時間がかかります。
音読も苦手です。
ことばを区切る場所がぎこちなかったり、読み飛ばして次の行に飛んでしまう事があるからです。
声を出さずに読んでいても文章が飛び飛びに頭に入ってくるので、内容を理解するのに時間がかかってしまいます。
そのため、テストでは分かるはずの問題でも間違えてしまいます。
どうしてそうなるの?
眼球運動のコントロールが難しい
平衡感覚につまづきがあるとそれに伴って眼球運動(目の動きのコントロール)が上手くいかない事があります。
見ようとする物を目でとらえる事が難しかったり、板書の書き写しのような頭が動く作業では視線が安定しないという事が起きたりします。
教科書の読み飛ばしや読み間違いにおいても、眼球運動の苦手さが影響している可能性があります。
文字のバランスが把握できない
平衡感覚や固有感覚がしっかりと機能していない場合
- 文字をまっすぐ並べられない
- 文字の左右を正確にとらえる事が難しい
など学習面のつまずきにあらわれる事があります。
読み書きの苦手さの背景には、このような感覚のつまづきがあるかもしれません。
どうしたらいいの?
眼球運動・平衡感覚・固有感覚などは、別にトレーニングしていくことが望ましいのですが学習の中での対応策をご紹介します。
文節ごとに区切って読む
たろうくんとおかあさんはあめがふっていたのでかさをさしておかいものにでかけました。
この文章を
たろうくんと/おかあさんは/あめが/ふっていたので/かさを/さして/おかいものに/でかけました。
と、このように一文節ずつ区切ると情報が一つずつ入ってくるので全体の把握がしやすいですよね。
文章を区切る習慣をつけるだけでも、内容の理解がずっと楽になるかもしれませんね。
余計な情報を隠して一文ずつ読む
スラスラ教科書を読めない場合は、いっそのこと他の列の文章を隠して今読むべき行に集中するという方法もあります。
簡単な方法は透けていない下敷き(無地)で次の行を隠し、読みながら一列ずつずらしていく方法です。
前の行にも飛んでしまう子は、厚紙を文章が一行しか見えない幅で縦長に切り抜き読み進めるのもいいかもしれません。
文章を理解したり、問題を解く力がある子は特にもったいないですよね。
勉強中にひと工夫するだけで、成績アップに繋がるかもしれないなら試してみる価値ありですね!
是非参考にして頂けたら幸いです。