整理整頓が苦手な子は感覚のつまづきが関係しているかも!?
いつもHPをご覧頂きありがとうございます。言語聴覚士の関口です。
整理整頓が苦手で
「ちょっとだらしないなぁ」
と見られてしまう子も、感覚のつまづきが原因の可能性があります。
- 使ったものを元あった場所にしまえない
- 大事なプリントをよくなくしてしまう
- いつも机の中がグシャグシャ
こんな子はクラスにも少なくないように思います。
「いい加減」と見られてしまう
机やカバンの中がいつもグシャグシャになっている子がいます。
教科書やノートは折れ曲がり破けているところがあったり、いらないプリントもいつまでも捨てずに溜め込んでいるといった調子です。
使った物を元あった場所に片付けることが苦手で、何をどこにしまったかをすぐに忘れてしまうという特徴も見られる事もあります。
勉強する力は決して低くないのに、整理整頓ができないのは
「だらしない」
「いい加減な性格」
とマイナスに見られてしまうことも少なくありません。
どうしてそうなるの?
空間や位置関係の把握のつまづき
視空間認知能力につまづきがあり、普段過ごす環境で生活空間を把握することが難しいということが原因の一つとしてあげられます。
「この大きさのものはここに入るかな」
という判断が苦手で、効率の良いしまい方や置き方など空間の上手な使い方が出来ません。
視空間認知能力
空間に占める物の大きさ・高さ・広さ・位置などを把握する力の事をいいます。
3つの基礎感覚(触覚・平衡感覚・固有感覚)と視覚・聴覚が関連しながら発達し、外界を把握する力が育つのです。
私たちは、自分の身体の動きとボールの位置を両方把握して初めてバットをボールに当てる事ができます。
また、お話しする時も相手との距離や周りの環境を考えながら声の大きさを調整します。
これは視空間認知能力が発揮できているからなんです。
注意力が散漫
注意力が散漫で気が散りやすく、途中で別の事が気になってしまい最後まで片付けられない事も原因の一つと考えられます。
自分と他人の持ち物の区別が曖昧で、うっかり友達の物を持ち帰ってしまう子も注意力のつまづきが関係していることがあります。
こうした注意力の発達には、触覚や固有感覚の使い方が関係していると言われています。
どうしたらいいの?
大まかに分類してみる
そもそも片付けの目的は、必要な時に必要な物を出せる事です。
色々なものをきちっと同じ場所にしまおうとするのではなく
「大きい物を入れる箱と小さいものを入れる箱」
「よく使う物を入れる箱とあまり使わない物を入れる箱」
のように作業を簡素化してみるのも有効です。
色分けやラベルを貼る
空間把握の感覚を掴むには、言葉で指導するより視覚情報の提示が効果的です。
どこに何をしまうか一目でわかるように、色分けやラベルなどで仲間分けをするという手段も有効です。
また道具が所定の位置にしまってある写真を貼っておくのも、一目でしまう場所が分かるのでいいかもしれません。
是非参考にして頂けると幸いです。