ことばは増える?分かれる?
いつもHPをご覧頂きありがとうございます!言語聴覚士の関口です。
私の元に寄せられることばのお悩みで
- ことばが出ているけど少ない
- 言えたり言えなかったりむらがある
- 「ママ」と言えるけど、誰に対しても言ってる
など、ことばが出始めた頃のお子さんの相談を良く聞きます。
「あれ、うちの事かな?」
と感じた方も多いのではないでしょうか。
ことばが出始めたけど思うように増えていかないな、と感じるお子さんについて解説していきます。
ことばは増える?分かれる?
そもそもどのようにしてことばは増えていくのでしょうか?
頭の中にどんどん新しいことばや意味をインプットして増えていくイメージが浮かびますが、実はそうではないんです。
正確には元々知っていることばから、分かれているんです。
例えば
「ワンワン」
と言えるようになった子が猫などの違う動物を見ても
「ワンワン」
と言ってしまうのは名前を知らない事もありますが、犬との違いがよく理解できていない事も大いに考えられます。
そこから少しづつ見た目の特徴や鳴き声など、違いが理解できるようになり
「ニャンニャン」
と違う名称で呼ぶ事ができるようになります。
一見新たにことばを習得したようですが、元々は「ワンワン」から分岐したことばなんですね。
ことばを増やしていこう
ではどうしたら頭の中でことばが分かれ、増えていくのか見ていきましょう。
ことばに触れる機会を増やそう
「ことばがゆっくりな子には、ことばのシャワーを浴びせましょう」
よく聞くアドバイスですが重要な事です。
ことばに触れる頻度を増やしていきましょう、と言う事ですね。
家の中でも外にいる時でも
「あ、パパのくつだ!」
「ワンワン歩いてるね!」
と子供が注目している物を言語化して伝えてあげる意識をする事で、ことばに触れる頻度は確実に増えます。
また、普段名前で呼び合っているご夫婦も「パパ」「ママ」と呼び方を変えるだけでも変化はあるかもしれません。
意味を刺激しよう
少しステップアップです。
「りんご」
と聞いて、私たちはどんなりんごを思い浮かべるでしょうか?
赤くて美味しそうなりんご、かじりかけのりんご、切って並べてあるりんご、イラストのりんご、、、
と様々ですよね!ここで重要なのがどんなイメージでも全て同じ「りんご」と言うことです。
そのことばの持つ意味を知っていないと、使う事ができないんですね。
最近では
「イノベーション」「アイデンティティ」
などなど難しい横文字を聞く機会が増えました。
聞いたことはあるけどよく意味を知らないと、自分から使う事はあまりありませんよね。
前置きが長くなりましたが、それは子供も一緒です。
その為意味を刺激すると言うのも有効な方法です。
一緒に絵本を見ている時、
「りんごはどーれ?」
と聞くのではなく
「赤くて甘い果物どーれ?」
「ワンワン吠える動物どーれ?」
と意味から攻めてみるのも子供の頭の辞書を刺激できそうですね!
仲間分け・仲間外れを考えてみよう
さらにステップアップです。
少しずつことばが増えてきた子には、頭の辞書の整理も大切です。
何と何が同じ仲間なのか?が分かってくると、より一層ことばやその意味の理解が進みそうですね。
これもわざわざ絵カードなどを買わなくても絵本で代用できます。
「果物はどれかな?」
「海の生き物はどれかな?」
「ワンワンの仲間はどれかな?」
などと質問してあげると細かい特徴に意識がいったり過去の記憶を思い返したりと、新たな発見やカテゴリーの整理に繋がります。
「果物じゃないのはどれ?」
「この中で仲間外れはどれ?」
と仲間外れを探してもらうのも良さそうですね!
親子で楽しみながらやってみて下さい!
是非参考にして頂けると幸いです!