これで解決!?集団行動が苦手な子供
いつもHPをご覧頂きありがとうございます!言語聴覚士に関口です。
私が支援しているお子さんも例外なく集団行動が苦手です。
- みんなと同じように行動・整列できない
- ザワザワした場所や人混みが苦手
- 大きな音を怖がる
このように感じたことはありませんか?
感覚のつまずきの側面から見ていきましょう。
自分勝手な行動をしているように見える
朝礼や集会などたくさんの人がいる場所が苦手で、フラフラっと抜け出してしまう子がいます。
「マイペースなのかな?」
と見られてしまいがちですが、実際は他人に合わせることが難しいために集団が大きくなるほど参加が難しいのです。
また音がよく響くホールやザワザワした人混みが苦手の子もいます。
そういった子は大きな音に敏感で恐怖に感じてしまっているのです。
運動会のピストルの音・警報機の音・友達の奇声など突然鳴り響く大きな音は恐怖のあまりパニックを起こしてしまう場合もあります。
どうしてそうなるの?
原因を見ていきましょう。
触覚防衛反応
触覚防衛反応とは、触覚が過敏なために特定の服の素材に拒否反応を示したり、苦手な食感の食べ物を吐き出したりしてしまう反応の事です。
触覚が敏感だと触覚防衛反応が働き、たくさん人が密集しているような場所に不安を感じてしまいます。
普段と違う場や、予測のつきにくい状況を嫌がってしまうのです。
聴覚が過敏
触覚だけでなく聴覚過敏のある子の場合も、音が響き普段と様子が違う場所やザワザワした場所が苦手です。
突然の大きな音にも強い拒絶反応を示します。
こういった子は静かで落ち着いた環境を好むため、友達と一緒にいるより一人でいることを好みます。
神経質に見える子もいれば、
「こっちに来ないで!あっち行って!」
と強い拒否反応を示す子もいます。
どうしたらいいの?
こういった事があると本人達も辛いですよね。
対応策を見ていきましょう。
どこにつまづきがあるのか?をよく観察する
まずはなぜザワザワした環境を嫌がるのかを、よーく観察して原因を探る事が重要です。
普段の生活の中からでも
「この子は友達に触られるのを嫌がるから、触覚が過敏なのかな?」
「この子はクラスが休み時間でザワザワしている時、耳を塞いでいるから聴覚が過敏なのかな?」
と紐解く鍵はあります。
なぜ嫌なのか?を見つけてみてください。
こちらの指導を見直す
私たちも昔から前ならえで整列してきたので、キチッと並ぶことが正解と考えてしまいがちです。
しかし、感覚につまづきがある子にとってはこの上ない苦痛なのです。
本人の気持ちになって落ち着いた気持ちで参加させてあげられるように、指導を見直すのも良いと思います。
部分的な関わりから始める
苦手な事を強要するのではなく、まずは出来る所から段階的に進めていく事もいいでしょう。
- 体育館の外から観察してもらう
- 中に入って観察してもらう
- 先生と一緒に参加する
- 列の一番後ろに並んでみる
といったように、少しずつステップアップしていけば環境への慣れも安心感を得られながら進みます。
また出来た事をしっかり言葉にして誉めていくと、自己肯定感も高まりますね。
苦手な騒音を軽減させる
聴覚が過敏な子には、苦手な音を軽減させてあげるのも有効です。
具体的にはザワザワした環境ではイヤーマフや耳せんを使用するのです。
こうすることで物理的に外部の音を軽減する事ができます。
落ち着いてきたら小さい隙間を作ったり遮音性が低い物に変えるなど少しづつ音に慣れていけるかもしれません。
是非参考にして頂けると幸いです。