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発達障害と「心の理論」

 

 

さて、下の漫画を見てください。

サリーとアン、2人の女の子のお話しです。

 

 

あなたは「バスケット」と「箱」どちらと答えたでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「バスケット」ですよね。

サリーはアンが宝物をバスケットから自分の箱に移した、という事実を見ていないのでそれを知りません。

だから当然帰ってきて宝物を取り出そうとする場所は自分のバスケットになります。

これは誤信念課題と言って「心の理論」が備わっているか、を診るテストの1つです。

 

心の理論って何?

「心の理論」って少し抽象的な表現ですよね?

私たちは人との関わりの中で

「こんな場面ではあの人はこう思っているはずだ。」

「私がこう言ったらこの人はきっとこう思うだろう」

など相手がどう考えているかをそれほど深く考えずに直感的に理解する事が出来ます。

これは「心の理論」が備わっているからなんです。

つまり「心の理論」とは相手の立場に立って物事を客観視する事。

もう少し砕けた表現をするなら、相手の「こころ」の状態(目的・思考・意図・信念)を理解し「きっとこう考えているんだろう」と理解し推測する働きの事です。

定型発達の子供では、4歳頃にはアンとサリーの課題は正しく答えられるとされています。

 

発達障害との関係は?

では発達障害を持つ子供とどう言った関係があるのでしょうか?

発達障害でも特に自閉傾向が強い子供の特徴として、対人コミュニケーションの障害が挙げられます。

私も臨床をしていて友達と上手く関われなかったり、様々な場面で上手く振る舞えなかったりする子供をよく見かけることがあります。

例えば、悪気はないのに友達が嫌がる事を言ってしまい非難を浴びたり自分の立場を悪くしてしまったりです。

なぜそのような事が起こってしまうのか?

それは自分が言った言葉が相手にどう受け取られているかを想像する事が出来ないからです。

そう言った子供達は心の理論が獲得できていない場合や、分かっていても上手く日常で使えていないという問題があるからと考えられています。

人との関わりの中で何かと摩擦が生じてしまいがちな自閉傾向の子供のコミュニケーションの背景には、こういった心の理論の問題がある事が多いようです。

 

どんなトレーニングが効果的?

「心の理論」を身につけていくにはどんなトレーニングが有効なのでしょうか?

SST(ソーシャルスキルトレーニング)など実践的な方法もありますが、専門的な知識がある支援者がいないと効果的でなかったりと少しハードルが高く感じます。

そこで個人的に”これいいな”と感じたのが「ヒットマンガ」という教材です。

これは基本的なルールはカルタと同じですが、セリフが白塗りになったマンガのワンシーンが描かれたカードを机に並べます。

読み手は絵に合ったセリフを考えて他のプレイヤーに伝え、プレイヤーはセリフを手掛かりにカードを探します。

間違えたら「おてつき」となりプレイヤー全員がおてつきとなったら、読み手がペナルティとして「連載打ち切りカード」を受け取るゲームです。

シンプルですが相手の視点に立って状況を考えないと台詞は浮かばず、複数人でゲームを行うとなると少し難易度は高めです。

ですがカード単体で使用してセリフを考える練習を行なったり、これをヒントに子供が好きなキャラクターを使った教材を自作してみるなど幅は広がりそうですね。

 

まとめ

私たちでも時に相手の気持ちを読み間違い、人間関係をこじらせて悩む事ってあるんじゃないかと思います。

なので「心の理論」がしっかりと備わっていない子供たちが、人とのコミュニケーションで受けるストレスは計り知れないですよね。

教育者や支援者が子供たちの言動の背景に目を向け、”頭の中を覗く”という作業が改めて大切だなと感じました。

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