子供の偏食はなぜ起こるの?原因と対応策
いつもHPをご覧頂きありがとうございます!言語聴覚士の関口です。
本日は子供の偏食についてです。
- 子供の好き嫌いが多くて困っている
- ご飯を食べるのが遅い
- 食べこぼしが多くて机がベチョベチョ
などなど、子供の食にまつわるお悩みを抱えているご家庭は多いのではないでしょうか?
さっそく見ていきましょう!
食事のつまずきも感覚が関係しているかも?
よくある例は野菜嫌いで肉とご飯しか食べない、嫌いな物が入っているのをみると手をつけようとしない、など偏食が目立つ子は少なくないです。
一方、気に入った物ばかり繰り返し食べるといった事もあるのではないでしょうか。
また、ご飯を食べるのにとても時間がかかってしまう子もいます。
モグモグ咀嚼に時間がかかり、いつまでも飲み込まないで口を動かしています。
学校でもなかなか食べ終わらず、休み時間まで食い込んでしまうのがこのタイプの子供ですね。
口に運ぶ前に苦手さがある子もいるようです。
箸などの扱いが苦手で食べ散らかしが多く、服や机を汚してしまうといったタイプの子供です。
子供の食事の時の「気になる行動」も、感覚のアンバランスさやつまづきが原因になっている事があります。
どうしてそうなるの?
触覚と固有感覚に着目して見てみましょう。
食感に馴染めない
好き嫌いの多い子の中には、味の違いに敏感な子がいます。いつもと同じ味だと安心するのです。
また意外と知られていないのが味だけではなく舌触りや歯触りといった食感に馴染めずに偏食となってしまっているケースも少なくないのです。
口の中の触覚が過敏であることが原因です。
硬いもの・繊維があるもの・ヌルッとしたもの・ドロドロしたものなど、それぞれに苦手な食感があります。
食べる機能が育ってない
固有感覚は、体の動きを調整する役割があります。
この固有感覚が未発達だと口の中で食べ物を噛んで細かくしたり舌でまとめたり飲み込んだり、といった一連の動きがうまくできない事があります。
また手や指のコントロールが苦手な子は、食器をうまく使えずにあっちにコロコロこっちにコロコロ食べこぼしに繋がってしまいます。
どうしたらいいの?
それでは対応策をご紹介していきます!
触覚を慣らす
食べられない物をよーく観察していると傾向が偏っているケースがよくあります。
ザラザラがダメ、ドロドロがダメなどです。
傾向が掴めたら手など身体の触れる部分から感覚に慣れさせていきましょう。
具体的にはザラザラなら砂遊びやたわしでキャッチボールなど、ドロドロなら一緒にスライム作りなど方法はたくさんありそうですね。
苦手な感覚を少しづつ慣らしていくのは「脱感作」と呼ばれる方法です。
ハードルを下げてみる
私たちも熱かったりトゲトゲして触れないものを、いきなり口に入れるのはハードルが高いですよね?
偏食がある子供も食べ物に対して似た感覚でいるのです。
思い切ってグッとくるハードルを下げてあげるのも有効です。
”唇につけられたらOK” ”ペロっと舐められたらOK” ”ひとかじり出来たらOK”
と少しづつ達成できそうな目標を決めてステップアップしていく方法です。
食べやすい環境づくりをする
口の使い方がうまくない子には、食べやすくする工夫が必要です。
”柔らかく煮込む” ”フードプロセッサーで細かくしてみる” ”まとまりやすいようにとろみをつけてみる”
など一手間かかりますが、これで食べられるようになるなら試してみる価値がありそうですね!
また手指のコントロールがまだ育っていない子には、無理に箸を使わずアシストがついてるエジソン箸や器を縁が高いものに変えてみるといった方法もあります。
偏食の対応策をご紹介しましたが、大原則は食事の時間を子供に楽しいと思ってもらう事です。
誰しも”楽しい!”と思える時にチャレンジ精神が芽生えますよね!
また、偏食改善には苦手な物の傾向を知る事が第一歩です。
子供の食事場面をよーく観察する所から始めてみて下さい!
是非参考にして頂けると幸いです。