すぐに手が出る乱暴な子の原因は感覚!?

いつもHPをご覧頂きありがとうございます!言語聴覚士の関口です。
本日も感覚のアンバランスさに着目した子供の行動について、解説していきたいと思います。
- 乱暴で友達にすぐ手が出てしまう
- 物を受け取る時強引
- ちょっかいが大好きで当たりが強い
などなど乱暴な子供の行動についてです。
見ていてヒヤヒヤしますよね。それでは見ていきましょう。
考えるより先に手が出てしまっている
私も子供達を支援をする中で、攻撃的な行動が目につくことが度々あります。
周りの友達が楽しく遊んでいる中に急に割り込んでしまったり、思い通りにいかないと相手を突き飛ばしてしまったりです。
友達や支援者から自分勝手な子、乱暴な子と見られやすく怖がられたり避けられたりしてしまいます。
またこういった子達は友達にちょっかいを出すのも好きで、体当たりや髪の毛を引っ張ったりして泣かせてしまう事もよくあります。
普段乱暴そうに見えないようなタイプの子も突然誰かに触られたり近付かれた時、いきなり相手を突き飛ばしたり叩いたりといった行動が見られることもあります。
自分のテリトリーに他人が入り込むのが極端に嫌で行動に出てしまうタイプです。
どうしてそうなるの?
ではなぜこのような行動をとってしまうのでしょうか。
感覚のアンバランスさに原因を紐解く鍵がありそうです。
力の加減がわからない
固有感覚につまづきがある子供は、力の強さを自分でうまくコントロールする事が苦手です。
また筋肉の張り具合や関節の角度を一定に保つ事が難しいので動作がON・OFFとなりやすく、物の扱いが乱暴だったり友達への当たりがどうしても強くなってしまいがちです。
触覚防衛反応
触覚が過敏であるが故に、周りから見ると乱暴に思える行動をとってしまうのです。
元々は自身の身を守るための原始的な触覚が強く、周囲の気配や人との距離に対してとても過敏です。
そのためふいに自分のテリトリーに入って来る他者に対して、攻撃的な態度が出てしまうのです。
これを「触覚防衛反応」と言います。
この触覚防衛反応は、自分のペースを守ろうとする反応です。
そのために自分が気に入った物に関しては、逆に執着して自分のテリトリーに引き込もうとする場合もあります。
お気に入りの支援者や友達にしつこくべったりして離れないといった行動も、触覚のアンバランスさが原因かもしれません。
どうしたらいいの?
集団生活において問題の多そうな行動ですが、しっかり対応策があります。
外で元気に遊ばせる
え、これだけ?と思われるかもしれませんが感覚を育てるのにはとても重要です。
即効性は低いですが外で元気に遊ぶ事は、体の感覚・使い方・力加減を学ぶとても良い方法です。
また砂利や砂、草木や遊具など色々な物に触れるので触覚も鍛える事ができます。
声かけの習慣をつける
どうしても手が出てしまう子は、まず友達に一言声かけをしてもらうのも効果的です。
「”◯◯ちゃん、遊ぼー”って声をかけるんだよ」
と指導していき習慣化させます。
一声かける習慣がつくことで、自身も一呼吸置けるので手が出る反応が抑えられます。
適切な強さの見本を見せる
友達を触る時に適切な力加減が分からない子に有効です。
「この位の強さで”トントン”するんだよ」
と実際に見本を示してあげる事で適切な力加減を学ぶ事ができます。
乱暴な行動が目に付く子に対して
「そんなに強く叩いちゃダメ!」
と叱ってしまいがちですが、叱られた方は正解が分からず行動には移せません。
ご紹介した方法はどれも難しい事ではないですが、その都度具体的な見本を示して正しい行動パターンを身につけてもらう事が重要です。
是非参考にして頂けたら幸いです。
