運動が苦手な子・よく物にぶつかる子の共通点とは?
いつのHPをご覧頂きありがとうございます!言語聴覚士の関口です。
本日は身体の動きがぎこちない子、運動が苦手な子供についての内容です。
- よく物にぶつかる
- 動作の真似っこが出来ず混乱してしまう
- 運動が苦手
などなど子供の動きに気になった事はないでしょうか?
身体の運動は、感覚と密接な関係にあるので詳しく解説していきます。
運動が苦手で動きがぎこちない
身体の動きがぎこちなく、体操やダンスなどで先生の動きを真似することが苦手な子がいます。
ケンケンパやスキップといった動作もスムーズにいきません。
走っている姿を見ても身体のどこかに異常に力が入りすぎていて、どこかぎこちなく上手く走ることができません。
このような子は縄跳びやスポーツが苦手で、友達の遊びの輪に入りたがらないという特徴があります。
日常の生活では、歩いていても身体をどこかにぶつけたりよく物を落とします。
食事中も繊細な動きに欠け、お皿をひっくり返す事もあります。
見ていて危なっかしい印象を与えますよね。
どうしてそうなるの
身体を動かすという事は、そもそも適切に周りや自分の身体を認識出来ているかということが重要になってきます。
身体がどう動いているか、に鈍感
固有感覚がまだ育っていない子は、運動全般が苦手な特徴があります。
筋肉の張りや関節の角度の微調整が苦手なため、どうしてもぎこちない動きになってしまいます。
運動をスムーズに行うには、身体のバランスを調整する平衡感覚も重要です。
他人と同じ動きをするのが苦手なのは、姿勢や関節の角度のコントロールする力が弱い事が関係しています。
また平衡感覚は眼球運動(眼の動き)との結びつきも強く、動いている物に対して反応が遅れてしまうことがあります。
ボディイメージが弱く距離感が掴めない
日常生活でいつもぶつかったり転んだり身体の動きがぎこちないのは、ボディイメージが十分に形成されていない事も原因の一つと考えられます。
ボディイメージ
触覚・平衡感覚・固有感覚のすべての感覚を統合して自身の身体を実感する力です。
実感できることは
- 自分の輪郭
- 自分の身体の大きさ
- 自分の身体の傾き具合
- 身体の力の入り具合
- 手足や指の関節の曲がり具合
などです。
私たちが混雑した道を人にぶつからないように歩けるのは、このボディイメージのあるおかげです。
また傘をさした時も人とぶつからないように意識できるのは、傘の先端まで自分の身体の一部だと認識できるまでのボディイメージが育っているからなのです。
一般的に6歳までには、基本的なボディイメージが形成されるとされています。
どうしたらいいの?
様々な感覚を必要とする身体の動きはどのようにして育っていくのでしょう。
大きい動きからステップアップ
運動やダンスの真似をする時、細かい動きより大きい動きの方が簡単です。
そのため大きい動きの真似から始め、徐々に細かい動きを真似出来るようにステップアップして指導していきます。
また体操などでは、運動を小分けにしていくのも有効です。
”手だけ合わせてみよう”
”リズムだけ合わせてみよう”
といった調子にです。
身体の左右対称な動きは身体のコントロールが苦手な子にとっても比較的簡単なので、意識的に取り入れるのも良いと思います。
身体の動きをしっかり見る
ボディイメージが未発達の子は、自分の身体の動きをイメージする事が難しいです。
そのためにまずはしっかりと自分の身体を目で見て把握する事が重要です。
「今花瓶倒しちゃった時、手はどこにあったかな?今度からここ通る時は自分の手を見てみようね」
と目で見る意識付けには繰り返しの指導が必要ですが、少しでも意識が向くようになればぶつけたり落としたりのトラブルは減らせるはずです。
是非参考にして頂けると幸いです!