発達障害とは?種類と特徴を解説
そもそも発達障害って?
発達障害とは生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさと、その人が過ごす環境や人間関係とのミスマッチから社会生活に困難が生じる障害の総称です。
生まれつき脳の発達が通常と違っているために幼児のうちから症状が現れ通常の育児では上手くいかない事があります。成長するにつれ自分自身の不得意な部分に気づき、生きにくさを感じる事があるかもしれません。どの障害も生まれつき脳の一部に障害があるという点が共通しています。
同じ人にいくつかのタイプの発達障害がある事も珍しくなく、そのため同じ診断名でも全く似ていないように見える事があります。個人差が大きいという点が「発達障害」の特徴と言えるかもしれません。
様々な弊害を引き起こす発達障害ですが、いくつかの種類と特徴があります。
- 自閉症スペクトラム障害
- 注意欠如/多動性障害
- 学習障害
それぞれの特徴を見ていきましょう。
発達障害の種類と特徴
自閉症スペクトラム障害って?
自閉症スペクトラム障害(ASD)には「社会的コミュニケーションおよび対人交流の困難」「行動、興味、または活動の限定された反復的な様式」といった特徴的な2つの症状があります。
また、知的障害を伴う場合と伴わない場合があります自閉症スペクトラム障害は、以前に広汎性発達障害や自閉症、アスペルガー症候群などと呼ばれていた障害群を、最新の精神疾患における診断基準でひとつの診断名に統合したものです。
社会的コミュニケーションおよび対人交流の困難
- 他人と目を合わせない
- 相手や状況に自分の行動をあわせることが苦手
- 皮肉やたとえ話を理解できず、文字通り受け取る
- 難しい言葉や表現を好んで使う
などなど
行動、興味、または活動の限定された反復的な様式
- 小さな変化に苦痛を感じる
- 柔軟な考え方をすることが苦手
- 決まった順序や道順、食べ物にこだわる
などなど
自閉症スペクトラム障害の具体的な特徴
- 学校でオウム返ししたり、単語で会話したり、一方的に話をしたりすることがある
- 暗黙のルールが理解できず、集団での共同作業に困難を示すことがある
- 学校の音や照明に過剰に敏感だったり、鈍かったりする
- 同じ服をいつも着たり、同じ順番での作業にこだわったりと、特定の物事への執着が強い
などなど
注意欠如/多動性障害って?
不注意・多動性・衝動性の3つの症状を特徴とする障害です。
不注意は集中力が続かず注意力散漫な様子、多動性は落ち着きがなく行動をコントロールできない様子、衝動性は衝動的な感情を抑えられない様子が見られることを意味します。注意欠如/多動性障害(ADHD)は症状の表れ方には3タイプあり、個人差があります。
注意優勢型
- 不注意の特徴が強く現れているタイプで、次のような症状が見られます。
- ケアレスミスが多い
- 気が散りやすくて、物事に集中することが苦手
- やりたいことや好きなことに対して集中しすぎてしまう
- 物をどこかに置き忘れたり、なくしたりすることが頻繁にある
- 片付けや整理整頓が苦手、約束や時間を守れないことがある
などなど
多動性-衝動性優勢型
多動と衝動の特徴が強く表れているタイプで、次のような症状が見られます。
- 物事の優先順位が分からない
- 落ち着いてじっと座っていることが苦手
- 衝動的に不適切な発言や行動をする
などなど
混合型
不注意、多動と衝動の特徴が混ざり合って強く表れているタイプで、不注意と多動のどちらが強く出るかは人によって異なります。
学習障害って?
学習障害(LD)は知的発達に遅れはなく、聴覚・視覚機能にも問題がないにもかかわらず「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」ことが、極端に苦手である状態のことです。
学習障害には、主に読字障害(ディスレクシア)、書字表出障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)の3種類のタイプがあります。
読字障害(ディスレクシア)
字を読むことに困難がある症状です。
ディスレクシアの特徴
- 音読の速度が遅い。一文字ずつ区切って読む逐次(ちくじ)読みをする
- 文字や行を読み飛ばしすることが多い
- 語尾や文末を読み間違えることが多い
- 「ろ」や「る」など形の似ている文字を見分けることが難しい
- 聴力は正常にもかかわらず、言われた言葉を聞き間違えることが多い
書字表出障害(ディスグラフィア)
文字や文章を書くことに困難が生じる症状です。字が全く書けないわけではなく、人によって現れる症状は違います。
ディスグラフィアの特徴
- 子どものころから文字に興味を示さなかった。ひらがなで書けない文字がある
- カタカナを習得するのが難しい、漢字をなかなか覚えられない。覚えても忘れやすい
算数障害(ディスカリキュリア)
数字そのものの概念や、数量の大小、図形や立体問題の理解が難しくなる症状です。
ディスカリキュリアの特徴
- 数を数えるのが苦手時計が読めない、時間が分からないことがある
- 算数の簡単な1桁の足し算や引き算の暗算ができない
- 九九がなかなか覚えられない
- 図形の模写(視写)が困難。暗算が苦手
まとめ
様々な症状や特徴がある発達障害ですが、「◯◯障害」という診断名が付いているからといって特徴が決まって出るというわけではなく個々の要素が複雑に絡み合って生じているケースが多く見られます。
大切なのは今どんな事に困っているか・弊害が出ているかを見極め、個々の症状に合わせたサポートをしていく事がとても重要です。
予約 |
LINE予約 |
電話予約 |
問い合わせ |